夏旅 2025 パリへ

石黒洋菓子研究所のオリジナル刺繍袋の製作をお願いしているプラハ在住の刺繍作家さんを訪ねた夏旅

フランス菓子の本場、パリへと向かいました。

パリでは、3区と4区に位置するマレ地区のキッチン付きのホテルに滞在しました。
ホテルから徒歩圏内には、17世紀の塩税徴収官の邸宅だった館内で、ピカソの初期の作品から晩年までの作品を鑑賞することができるピカソ美術館や、パリ最古の広場であるヴォージュ広場があります。
洋服からインテリアまで扱うパリ有数のセレクトショップもあり、小さな路地にはおしゃれなお店が建ち並んでいる地区です。

ホテル近くのマルシェでは、新鮮な季節の野菜や果物、肉や魚、チーズやワインなどのお店が軒を連ね、地元の人々が食材を買い求める姿が見られました。

滞在中に、日本ではパリ祭で親しまれている国祭日、フランス革命記念日を迎えました。
自由・平等・友愛の精神を表すフランス国旗のもと、陸・海・空軍が一同に揃う軍事パレードが行われたり、エッフェル塔から、夜空に花火が打ち上げられたりします。

パリ祭の夜には、日中に買い込んで置いたサラダやパテなどを、よく冷えたロゼワインとともに、エッフェル塔のふもとで開催されているクラシックコンサートのテレビ中継を観ながら、のんびりと味わいました。
朝は、バゲットやクロワッサン、ハムやチーズ、ヨーグルトにコンフィチュール、季節の果物を、淹れたてのコーヒーと楽しみます。
昼間は、木陰のベンチに座って、老舗菓子店のゴーフルや、ブーランジェリーの焼き立てのクロワッサンを頬張りました。

今をときめくパティシエの、アプリコットやブルーベリーなどの季節の果実を使った生菓子を味わえたことも、貴重な時間でした。
お菓子をテイクアウトして食べることが多かったのですが、その時のパッケージが、どのパティスリーも心惹かれるものでした。
特に印象に残っているのが、フランスのパティスリーの定番で、クレーム・パティシエールを流し込んで焼いたシンプルなタルト、フラン・ナチュールを買ったときのことです。
オリジナルの包装紙一枚を使って、タルトが潰れないように台形に包まれていました。
普段、タルトなどのお菓子は、箱に入れて受け渡しをすることが多いので、こんな風に包装紙で、おしゃれにお菓子を包んで販売してみたいという気持ちになりました。
ゴーフル1つ、クロワッサン1つ、買ったときに手渡された紙の袋ひとつとっても、そのお店のこだわりが感じられて、とても勉強になり、刺激を受けました。

パリの昔と今が混在する魅力的な場所で、まるで、そこで生活しているかのように過ごせたことは、今夏の忘れ難い体験であり、今後のお菓子作りに活かしていきたいと考えています。